議会活動

【議案関連質疑】中小企業支援、水道管破裂事故、災害用トイレトレーラー、市職員の休暇制度(令和7年第3回定例会 本会議)

令和7年第3回定例会 本会議(2025.9.9)にて、議案関連質疑にたちました。

<質疑の概要>

1. 中小企業支援について

米国の関税措置や物価高騰の影響を受け、市内中小企業の経営環境は一層厳しさを増しています。補正予算では「緊急経営支援資金」「賃上げおうえん資金」「設備更新資金」が創設されましたが、現場の経営者からは「賃上げの必要性は理解しているが、今は難しい」という声も届いています。
私は、融資制度に加え、補助金など直接的な支援策の必要性を訴えました。

2. 水道管破裂事故について

老朽化した鋳鉄管による漏水事故が発生しました。水道は市民生活を守る基幹インフラであり、事故を未然に防ぐためには、想定耐用年数を超えた管路の更新を加速させる必要があります。市に対し、計画的な更新の取組を求めました。

3. 災害用トイレトレーラーについて

能登半島地震では本市のトイレトレーラーが大きな役割を果たしました。災害はいつ起きるかわからないからこそ、横浜独自の備えを強化すべきです。災害対応力の向上に加え、市民に身近に感じてもらえるよう平時での活用も提案しました。

4. 選挙啓発について

選挙管理委員会では若者に人気のVTuberを起用した広報が行われました。新しい取組は評価できますが、効果検証が不可欠です。また、将来の投票率向上のため、親子や三世代での投票を積極的に推奨するよう求めました。

5. 職員の子育て支援制度について

本市の部分休業は就学前までしか利用できず、「小一の壁」「小四の壁」に直面する職員が両立に苦労しています。近隣自治体では小学生の子どもを持つ職員も利用できる制度が導入されており、本市でも同様の取組を求めました。
さらに、男性の育児参加を妨げる無意識の偏見を解消し、誰もが継続的に子育てに関われる制度設計の重要性を指摘しました。

最後に

横浜は人口370万人を抱える全国最大の基礎自治体です。そのリーダーである市長の言葉や行動は、社会を大きく動かす力を持っています。
私は、誰もが自由に働き、休み、子育てできる環境を横浜から実現していけるよう、これからも全力で取り組んでまいります。

市民の皆さまの声が、より良い政策につながる大切な力となります。
ぜひ、皆さまのご意見やご要望をお寄せください。ともに横浜の未来をつくっていきましょう。

令和7年第3回定例会 本会議(2025.9.9)にて

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<質問全文>

国民民主党・無所属の会の深作祐衣です。会派を代表し、本定例会に提案された議案に関して順次質問いたします。

1. 中小企業支援について

初めに、信用保証料助成事業について伺います。

米国による関税措置については、当初、日米間の動向が不透明であり、中小企業の皆様も影響を慎重に見極めていたと思います。しかし、国の発表によれば、8月以降、日本からの輸入品に対して原則15%の相互関税が適用され、鉄鋼・アルミ製品には最大50%の関税が継続されていることから、今後、幅広い業種への影響が懸念されます。

そこでまず、

(1)米国関税措置の市内経済への影響

について、市長に伺います。

今回の補正予算では、中小企業融資制度に、米国関税措置の影響や原材料価格の高騰など様々な要因で、売上や利益率が5%以上減少した中小企業が利用できる「緊急経営支援資金」をはじめ、「賃上げおうえん資金」や「設備更新資金」を創設し、そのための保証料助成として、5億2千6百万円を増額する補正予算案となっています。

そこで、

(2)3つの融資制度の予算配分と申請件数の見込み

はどのようになっているのでしょうか。伺います。

「賃上げおうえん資金」のような賃上げを要件に、保証料助成を行う融資制度は、全国的に見てもあまり類を見ないものだと思います。

厳しい状況の中でも、前向きに賃上げに取り組む企業を融資の面から支援することで、中小企業に賃上げの取組が広がることが期待されます。

その一方で、中小企業経営者の皆様からは「賃上げの必要性は理解しているが、現在の経営状況では難しい。」という声を伺います。

そこで

(3)今後、中小企業が賃上げを実現していくためにも、融資のような間接的な支援でなく、補助金等による直接的な中小企業支援に取り組むべき

と考えますが、市長の見解を伺います。

厳しい経営環境に置かれた中小企業の資金繰り支援も、もちろん必要ですが、中小企業が賃上げを実施できるような体力増強につながる、直接企業に届くような支援策を、次の補正予算や8年度予算で実施していただくことをお願いし、次の質問に移ります。

2. 水道管破裂事故について

次に、水道管破裂事故について伺います。

市民生活に欠かせない都市インフラである水道施設において、老朽化した鋳鉄管が原因とみられる漏水事故が各地で発生し、報道でも大きく取り上げられました。

水道局では、管路の老朽化対策を進めるにあたり、地方公営企業法で定められた会計処理上の法定耐用年数とは別に、独自に設定した50年という想定耐用年数に基づいて更新を進めていますが、今回事故が起きた管路は布設から60年以上が経過し、老朽化が進行していたと推察されます。

そこで、

(1)水道局が設定した鋳鉄管の想定耐用年数の考え方

について、伺います。

鋳鉄管は、現在採用しているダクタイル鋳鉄管に比べ、衝撃に弱く、割れやすいため、漏水リスクが高いとされています。今回の事故のように、ひとたび漏水が発生すると市民の財産や生活に被害を及ぼす恐れがあることから想定耐用年数を超えた鋳鉄管は、早急に解消すべきと考えますが、

(2)今後の鋳鉄管更新の取組

について、伺います。

水道は、市民の皆様の命と暮らしを守るために欠かせない、基幹インフラです。計画的・効果的な更新を進め、市民が安心して暮らせる持続可能な街づくりに寄与していただくことを期待します。

3. 災害用トイレトレーラーについて

次に、「災害用トイレトレーラーの取得」についてです。

能登半島地震では、本市から石川県輪島市にトイレトレーラーを派遣し、避難所のトイレとして約1年間活用されました。

トイレは私たちが生きていくうえで欠かすことができないものであり、こうした支援は、被災地支援としても大変意義深いものでありますが、災害はいつどこで起こるかわからないものであります。

他都市との連携をしつつも、本市の災害に確実に対応できる体制をとっていくことが重要であると考えます。

そこで、

(1)トイレトレーラーによる今後の他都市支援の考え方

について、市長の見解を伺います。

トイレトレーラーによる被災地の支援にあたっては、搬送体制やメンテナンスなども含め総合的な準備が大切になります。引き続き、円滑な運用と相互支援の実現に向け、より実効性のある準備と連携が進むことを期待します。

また、トイレトレーラーを市民の皆様にも身近なものとして感じていただけるよう、平時の活用も進めるとともに、例えばGREEN×EXPO 2027での展示なども検討いただくようお願いし、次の質問に移ります。

4. 選挙啓発について

次に、選挙に関する専決処分報告に関連して伺います。

選挙に限らず、広報・啓発活動においては伝える相手を明確にし、その層に響く手法を選択することが極めて重要です。

今回、選挙管理委員会では、若者に人気のVTuberを啓発キャラクターとして起用し、若年層への広報に取り組み、これまでとは違った新しさを感じましたが、重要なのはターゲットである若年層に届いたのか、そして行動を喚起したのかということです。

そこで、今回の選挙での

(1)若年層の反応や意見を丁寧に拾い、今後の選挙啓発に生かしていくことが望ましいと考えますが、見解を伺います。

また一方で、選挙権を取得する前から、将来的な投票行動の促進を見据えた働きかけも必要と考えます。

国の調査では「子どもの頃に親と一緒に投票所に行った経験がある人」は、そうでない人と比べて、成人後の投票率が20ポイント以上高いという結果が出ています。選挙権を得る前の子どもたちが、自然に選挙を身近に感じられるような環境づくりが、長期的な視点では欠かせないと考えます。

そこで、未来の投票率を高めるためにも、

(2)親子連れや三世代での投票を積極的に推奨していくべきであると考えますが、見解を伺います。

一票を投じるという行為は、より良い社会を築くための「意思表示」であり、「参加行動」であります。

すべての有権者が、自らの意思で積極的に選挙に参加する社会の実現に向けて、引き続き効果的な取り組みの調査研究をお願いします。

5. 職員の子育て支援制度について

最後に、横浜市一般職職員の休暇及び育児休業等に関する条例について伺います。

本市の職員さんを始めとする地方公務員の皆様には、育児休業以外に「部分休業」と呼ばれる短時間の休暇を1日最大2時間取得できる制度があり、主に保育園の送迎等のために多くの方が取得しております。しかし、本市の部分休業は、法に基づき就学前までしか利用が認められておりません。このため、お子さんが小学校に上がると同時にフルタイムへと移行することになり、まずは「小一の壁」に、その後、心身の発達や勉強面や生活面で大きな変化がみられる「小四の壁」の問題に直面します。共働きフルタイムで働く親にとっては従来のキャリアの継続を困難にする可能性もある、大変大きな課題であり、この問題に直面する人たちは今後も増加すると見込まれています。 

こうした課題に対し、民間はもとより、神奈川県や川崎市、相模原市、東京都や23区、千葉県をはじめとする本市近隣自治体では、小学生の子どもがいる職員も引き続き、部分休業のような形で休暇を取得できる制度を新たに導入する動きが相次いでみられます。これは社会的な要請とも言えるのではないでしょうか。

子育てというのは子どもが小学校に上がれば完了するものでは到底ありません。子育てしたいまちを謳う本市のその足元で、小学生のお子さんのいる職員は、小一の壁や小四の壁等に阻まれながらも、仕事も、家庭も両方とも大切で、両方とも頑張りたいからこそ、日々悩み、どうにか体力と気力と精神を保ちながら、やりくりしていることと思います。

そこで

(1)小学校入学以降も利用できる制度を本市も設けるべきと考えますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

令和6年時点で、共働き世帯数は専業主婦世帯数の3倍以上となり、妻がフルタイムの共働き世帯数も増加傾向にあり、我が国において、男女を取り巻く環境や若い世代の理想とする生き方は大きく変わってきています。

しかしながら、家事関連時間は妻の方が210分以上、仕事関連時間は夫の方が180分以上長く、『男性は仕事、女性は家庭』 という性別による固定的な役割分担や、無意識の思い込みであるアンコンシャスバイアスが依然として残っていることがうかがえます。

本市においては、男性育休取得率は令和5年度時点でようやく68.1%となりました。しかしながら取得期間をみると、未だ1ヶ月未満が26.0%、1か月から3か月未満が42.2%であり、取得者の半数以上が3ヶ月以内に職場に復帰しています。そして部分休業の取得者数を男女別で見てみると、女性は621人であるのに対し、男性は45人と10倍以上もの差がでており、母親が継続的に育児のために仕事の時間を調整していることが大いに考えられ、本市でも固定的な性別役割分担が残っていることは大きな課題であると感じます。

 アンコンシャスバイアスは、誰の中にでもあるものです。重要なのは、自分の中にもあるということを認めた上で、偏りを是正するための制度や仕組みを取り入れていくことにあると考えます。

そこで

(2)仕事と子育ての両立支援を進めていく上でのアンコンシャスバイアスへの認識及びその解消に向けた取組について市長に伺います。

子育ては長期的なものです。出産前後はいうまでもありませんが、その後も保育園の送迎や予防接種に健診、面談や参観、保護者会への参加など、育児はずっと続いていくものです。だからこそ、一時的に休暇を取ることではなく、長く続く期間に渡り、継続的かつ主体的に育児に関わることが重要であり、それを可能とする政策が必要です。

男性が継続的に育児に関わるということを実現するために、部分休業は大変効果的であると考えます。突発的な休暇は職場への影響を考えると取得しづらいですが、部分休業なら職場においてもバランスを取りやすく、子育てに長く関わることができ、例えば、圧倒的に母親が多い、職場から保育園へのお迎えにも父親がいくことができるようになるはずです。保育園の送りと迎えは、一見同じことのように思いますが、仕事への影響という意味でも子どもとの関わりという意味でも全く別のものであると当事者として感じます。

今回の条例改正のもととなる法改正の趣旨は、現在の少子化の進行等の状況や「性別にかかわらず仕事と子育てを両立できる職場」を目指す観点から、仕事と育児の両立支援に関する事業主の取組を一層促す必要があるためとされています。

男性側もスケジュールを調整するなど、働き方の基準を変え、男女ともに子育てをすること、職場もそれが当たり前と思う意識を醸成することができるようにならない限り、真の男女共同参画社会の実現はないと考えます。

(3)男性職員が継続的かつ主体的に子育てに関わることができるようにすべきと考えますが、市長の見解を教えてください。

人口約370万人という全国最大の基礎自治体、横浜市のリーダーたる山中市長こそ、こう言った取り組みを一番推進でき、市長の言葉は横浜を、ひいては社会を動かす力があると思いますから、力強いメッセージで後押しをしていただきたいと思います。

長時間労働を是とする職場風土や評価制度を変え、無意識のバイアスを乗り越え、多様な家族の形を認め、複数の大人が主体的に子育てに関わることができる環境が、この時代には必要です。認識をアップデートし、政策的手当をしない限り、到底少子化などは改善されません。

 子育てに主体的に関わる人が増えれば、心理的にも余裕が生まれて子育てにも良い影響が出ます。「チームで育児をする」ということが「職場での仕事」にポジティブスピルオーバーを起こすという研究結果もあります。また、育児に関する休暇の取得が容易になることは、家庭で様々な事情を抱えている人に対し、職場が理解・配慮し、協力するという意識を広げ、例えば介護など他の理由で休まなければならない方たちにも良い影響を与えると考えられます。

政治の役割は、誰もが自由な選択できる環境を整えることにあります。生き生きと働き、望めば休むことができ、精一杯子どもを抱きしめることができる、働きやすい職場づくりを横浜から実現していただくことを強く要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。